INTERVIEW W/CD:

CREATIVE DIRECTOR

CREATIVE DIRECTOR

CREATIVE DIRECTOR

FUMISHIGE SATO

株式会社イーダのクリエイティブディレクター、
佐藤史篤。
鉄雑貨「GRAVIRoN」のプロデューサーでもある。
無類の動物好き。
手懐けられない動物はいない(と思っている)。

Q1.I-DAを一言で言うとどんな会社ですか?

変な会社かな。
組織の体裁はしているけれど、パーソナルな部分を認めてて、個人の自由度が尊重されてるとことか。
会社なんだけど、いい意味で「組織主義」ではなく「個人主義」が色濃いといったところが、褒め言葉として「変なところ」。

Q2.I-DAのここは自慢できるってところは?

「柔軟である」こと。こだわりが少ない。この「こだわり」というのは、品質のことではなくて、システムハウス斯くあるべき、デザイン事務所だからこれはやらない、みたいなのがない。これをやったら面白くて、会社の未来に貢献できそうだよ、って納得してもらえたら基本なんでもやっていい。実際、僕は「GRAVIRoN」という鉄雑貨のブランドを立ち上げさせてもらったし、貢献できることが納得してもらえたら、好きなことをやらせてもらえる。

Q3.クリエイティブディレクターの立場から見て
制作の本質って何でしょう?

クライアントオーダーの先にあるものを見据えて、その手数が何手先まで読めているのか? が重要
一手先はクライアントオーダーに100%応えるだけ。それならうちの会社じゃなくても、同じ結果が出せる会社は他にいっぱあるから、それよりもちゃんと先を見据えられているか、というのが制作における骨子となるところかな。
クライアントに言われたからこう作りました、じゃなくて、本当のターゲットはどこにいるのか「が」、ちゃんと見えているのかどうか。クライアントが求めているもののメリットとデメリットを考えて、制作物の効果を予測しなければならない。
例えば、女性政治家のホームページを制作する。クライアントに「カラフルでポップなのが好きだからそうしたい」と言われても、その通りに作って、果たして民衆の支持は集まるのか? 本当にほしい結果は得られるか? というところをちゃんと予測しないといけない。
その予測がちゃんとできるかどうか。それを常に意識してる。

GRAVIRoN

Q4.制作で大切にしていることは?

クリエイティブディレクターとしては、制作物の独自性、他社と差別化できているか、何をすれば抜きん出ることができるかというところ。
あとはクライアントの業態をちゃんと理解するということ。そのためには勉強も必要。例えば歯科医院のクライアントなら、ざっくり大きな括りで歯科医院の仕事として捉えるんじゃなくて、矯正歯科が強いのか、審美歯科が強いのか、審美が強いなら今の審美歯科ってどんな状況になってるんだろう、とかまで理解するよう努める。クライアントの知識に敵うことはないけど、外部の人間の中では、クライアントのことを一番理解している存在でありたいと思う。

チェス

Q5.I-DAは今と昔で変わりましたか?
変わっていない点はどこですか?

イーダが変わっていないのは「貪欲」なこと。テリトリー設定しないというか、仕事を選ばないので、多種多様な業種の取引先からご依頼を頂けているし、その貪欲さのおかげで仕事の幅もどんどん広がっている。
大きく変わったのは、自分のマインド的なことだけど、以前は「みんなでイーダを大きくしよう」と思っていたけど、今は僕ができることを100%やって、自分がスポットライトを浴びて、自分が所属するイーダが有名になったらいいなと思う。あと、個人的なことで今年1月にヒゲがなくなった(笑)
※佐藤は以前ヒゲめがねでした。そして結局またヒゲめがねになりました。

Q6.クリエイティブディレクターが思う理念の
「遊び心と共感」とはどんなものでしょう?

遊び心が生まれるのは、好奇心や知りたい欲求から始まる。こうしたら面白いんじゃないかっていうワクワクとか好奇心が遊び心には大事。こういうワクワクがない人はイーダにフィットしないかもしれない。
好奇心に対して貪欲じゃなくなってしまったら、何か考えるターニングポイントになるんじゃないかと思う。
「共感」については、こちらから強制するものでもないし、クライアントやユーザーにこちらから共感することも必要。「相互共感」が大事だと思う。

Q7.イーダは良い会社だと思いますか?
変えたいところは?

働く人にとっては良い会社だと思う。
変えたいのは組織として大きくしていきたいし、もっと僕みたいなことをしたいって人が増えてくれたらなって思う。デザインやシステムという枠にとらわれず、僕のように物品販売のブランドを作るでもいいし、クライアントはいないけど、この仕組みは絶対あたるぞ、みたいな情熱をもってその販路を必死になって一緒に考えてもいい。
会社として「脱請負」も大きなテーマなので、実現できるように変えていきたい。アイデアをだして、そのアイデアを形にして、実行できる会社になっていきたい。

Q8.イーダの未来は?

上場の可能性もある会社だと思っていきたい。「デザイン=ビジュアルをつくる」だけではなく、コード的な設計を行えることもデザインだと思っている。ただグラフィックデザイン、WEBデザインができる会社。ではなく、社会構造を劇的に変えるとか、世の中がすごく便利になるとか、そういうことができる会社になっていきたい。
たとえば「靴」って世界最古の革靴が約5500年前のものとして発見されてるんだけど、現在の靴のフォーマットとほとんど、一緒なんだよね。靴っていうデザインは5000年以上前に確立されていて、誰が発明したのかなんて誰も知らないけど、世界中の人類が当たり前に使っている。こんな社会的に実装されている装置を作れる会社にイーダがなりたい。革新的で、世の中の役にたって、当たり前に存在する何かをイーダが作りたい。もはや野望だよね(笑)イーダの野望(笑)

Q9.どういう人材を求めていますか?

利己主義と利他主義が50%:50%の人。個人性:社会性が50%:50%とも言えるかもしれない。
小さな会社なので、自分でやらなきゃいけない分野は、雑用も含めて多い。小さいながらも組織だから、これは頼まれてないけど、やったほうがいいだろうとか、これを事前にやっておけばあの人が楽だろうとか、仕事の段取り、手数の想像力が個人主義に偏りすぎると出てこないし、自分をプロフェッショナルに極めればいいだけになってしまう。それではお客さんや周りはついていけない。逆に利他的な発想が強すぎて、クライアントの言いなり、会社に言われたことだけやればいい、では自分が失くなってしまうから、いつまでたっても自分は何がやりたいのかわからなくて、本当やりたいことを見つけられない。だからすごく難しいけど50%:50%のバランスを意識して目指せる人がいい。

Q10.どういう人はNGですか?

オルタナティブの用意ができない、視野が狭い人。
一つの可能性しか持てずに、固定化されたゴールを目指してしまう人。
話し合いは合意形成をするための場であるはずなのに、不満を発するだけの場にしてしまうような、考え方が柔軟でない人。
自分の仕事はこれだからって、自分で守備範囲に線を引いてしまう人。
それ僕の領域じゃないです。とか、それ私苦手です。とかが出過ぎるとたぶん難しいかな。
これがダメならこれは? と常に柔軟に考えられないと難しいかもしれない。

S / M

Q11.各職種こういうことできると優遇します、
みたいなのありますか?

[SE/コーダー]
ここから3年後の2025年のITがどうなっているか想像して、そこに対して準備ができる/できている人。持論をもっていてそれを僕らに教えてくれる人。
[ディレクター]
当社のHPを見てイーダを理解してもらって、うちの会社で出来る
新しい企画をプレゼンテーションできる人。

両方ともそれが何手先まで読めるか、ということに繋がっていると思うので。

Q12.志望される方へのメッセージ

好奇心をもって学ぼうって意識がない人にはたぶん難しい。学んだものをアウトプットするコミュニケーション能力もないと厳しい。常に求められるし、現状に満足してくれる人が誰もいないので(笑)ドSであり、ドMな会社です。
僕自身はMだと思う。変態的にどうしたらオーダーに120%応えられるだろうって考えてるもん。そこまでしなきゃ本当にいけないのかなってたまに立ち止まるけど、やめられない(笑)こうしたらもっと面白いんじゃないの? と思ったらやってしまう(笑)SでもMでも「好奇心 = 学ぶこと」ができる人待ってます。

OMAKE:

コストや儲け度外視で、何でも好きなことができるとしたら、何がしたいですか?

社会デザイン。今は「クライアントワーク = 結果を出す」ことをやってるんけど、やりたいことは誰のためなのかわからないけど、社会にあったらいいなと思うものを作りたい。
例えば学校で一人一台タブレットやPCを使うのって当たり前になりつつあると思うんだけど、いじめをなくすためのデータを吸い上げるソースになるツールとか、いじめを事前にに察知できるコミュニケーションツールのようなものとか。AIが毎日の顔の表情を集めていて、表情が芳しくないとか、傷があるとかとすぐわかる仕組みとか。お金にはならないけど、社会がよくなっていくものを作ったり、研究したい。あとは政治家の発言とか集めて適正判定ツールとか、第一線から退いてもらわないといけない人をジャッジするツール。会社が炎上しそうだから、社長に怒られるかな(笑)